シンクタンク, 活動報告, 調査研究, 防災

東日本大震災による被災地域の巡検をしました。

東日本大震災から丁度3年目の2014年3月10~12日、現在大学院博士課程でコミュニティ形成の研究をされている福本さんの聞き取り調査に同行し、宮城県の東北地方にて巡検をしてきました。

4月より多くの方の生活に携わる仕事を始めるにあたり、震災がどういうものか、被災された方の生活がどう在るのかを実際に自分の目で見ておきたいと思いました。

道中、愛宕山に差し掛かったあたりの高速では、突然横なぐり吹雪にあいました。フロントガラスに雪が張り付き、前が見えなくなるほど。こんな寒い3月に震災にあわれ、避難されていた方、家族と会うことが出来ずにいた方はどんな思いだったのだろうと考えずにはいられませんでした。
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今回の巡検で印象的だったのは、被災地に残った建物と住宅地再建風景の様子の違いです。閖上地区は被災した閖上中学校の時計は止まったまま、中学校の前の残った住宅は津波が来た後のままの様子のなかで、新たな住宅地の再建にむけて、被災された地に土台の嵩上げと堤防作りが行われていました。
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ほとんどのものが流失したこの場所から車で数分離れたところは、国道沿いに様々なお店があり、活気ある場所でした。一方で、岩沼の方は、被災した地域から少し内陸の場所に集団移転地が新設されていました。こちらはすでに土台が整備され、家が建てられ始めているところもありました。住民の方の優先する価値観や想いを考えると、苦しくてもこれから先の生活を考えた判断をされる方がいることを感じました。
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また、大森地区の区長さんや岩沼市の農家の方から伺ったお話もとても印象的でした。それぞれ話の内容は異なるものでしたが、受け取ったメッセージには、いずれもまず命を守り、生き残ること、生き残ったらいくらでも再建できること、そしてどんなに辛くても失う物ばかりではないということでした。いざという時でなく、普段からどれだけ周りの人を大切にできるか、が生きて行くことなのだと感じました。

実際に3年たった今、被災地を訪れて、生活されている方の話を伺う中で胸がつぶれそうに苦しい気持ちにもなりましたが、人の強さを感じました。そして、震災の大変さや被害を受けられた方の気持ちは、当事者にしかわかり得ないことを痛感しました。この地で感じ取り、見たことを、どう自分なりにできる活動や日々の生活に活かしていけるか、神奈川わかものシンクタンクのメンバーと考えながら取り組んでいきたいです。
                                 【レポート 岡 歩美】

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岡 歩美
子どもが笑って暮らせる環境は誰もが快適と感じる、住みやすい環境だと信じ、「おやこ」や「わかもの世代」を対象に活動。暮らしや仕事に役立つ情報や楽しい時間を身近な人と共有できる「コミュニケーション」の機会をつくっている。
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